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あり得るかもしれない未来の話

投稿日時:2015-03-19 13:06:19

想像して欲しい。

君はけたたましいアラームの音で目を覚ます。アラームは、君が眠っているベッドから遠い、目覚まし時計から発せられている。そして君は、もう少しだけ寝たいと思って、布団の中でわずかに指を動かすだけで、それを消すんだ。

目が覚めたら、君はまだ働いていない頭で指先を動かす。すると、部屋のカーテンがひとりでに開いて、電気がつく。君は寝すぎてしまったことに気がついて、おぼつかない足取りで居間へと向かう。

居間には君一人しかいない。君は一人暮らしだ。取り敢えずテレビをつけようと思って、指をかざす。リモコンは必要ない、それだけでテレビの電源がつく。

君は仕事へ行く支度を終えて、玄関をでる。玄関先から指をかざすと、望んだ機器の電源が全てOFFになる。そして扉を閉じて手元をかざす。それだけで扉の鍵は締まる。もっとも、その扉に鍵穴はない。

君はいつもの道を歩き、駅へと向かう。「列車」の到着まで残り時間は少ない。君は急いで駅のホームの駆け込むけれど、難なく改札をくぐるのだ。

君の手には切符もなければ、定期券もない。

君の指先には、ただ、1機の「Ring」が嵌まっているだけだ。

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